自己免疫疾患が増え続ける先進国(日本)で子どもを育てていくあなたに

◇序章 なぜ自己免疫疾患は急増しているのか

2005年には「自己免疫疾患研究の進歩」と題する報告書が国立衛生研究所(NIH)から発表され、
アメリカでは今や2230万人、アメリカ国民の12人にひとりが自己免疫疾患に罹患し、理由は不明だが、世界中で患者数が増加していることが明らかになった。
現在分かっている自己免疫疾患は、多発性硬化症、1型糖尿病、関節リウマチ、筋炎、全身性エリテマトーデス(本書では以下ループス)、強皮症、潰瘍性大腸炎クローン病
その他80あまりの疾患を含めた100近い数にのぼる。

西欧諸国では過去40年間に、ループス、MS,一型糖尿病、その他一連の自己免疫疾患の発症率が2倍や3倍に跳ね上がっている。
しかも厄介なことに、食物アレルギーやぜんそくなど、免疫システムが過敏反応を起こす他の関連症候群と同様に、子どもの間で発症率が劇的に上昇している。
診断技術の向上や病気への認識の高まりだけではこの患者数の激増を説明できない。
それほど先進国では、この病気に直面している人の数が増加しているのだ。

この急増の根本的な原因が環境にあることは、世界中の科学者の認めるところである。
自己免疫疾患発症リスクのうち3分の2は環境誘因を通して得たもので、もともと身に備わった遺伝的リスクは全体からするとかなり小さいことが、
双子を対象にした研究によって確認されている。

この10年間に、日常的に使用されている工業用化学物質、重金属、毒物が多くの自己免疫疾患の発症と関係していることも
世界各地で立証されている。
多くの産業副産物が免疫細胞と互いに作用しあうと、健全な細胞間コミュニケーションのための驚くほど精巧な設計図が台無しになってしまうのだ。

(免役の反逆 自己免疫疾患はなぜ急増しているか ドナ・ジャクソン・ナカザワ ダイヤモンド社



















原初の海の時代から、金属は深く生命にかかわっていて、生命の進化とともにその関係も変化してきました。

そして今、生命と金属の関係が、大きく変化しているのです。

その理由は、人類の出現です。

正確には人類による工業化、です。

工業化により、私たち人類は多くの重金属を産業に利用するようになりました。

金、銀、銅、鉄、鉛、ニッケル、アルミニウム、リチウム、カドミウム・・・

多くの重金属が、産業に利用されており、今やそれらなしには私たちの生活は成り立ちません。

最近では白金やチタンなどのレアメタルも注目されていますよね。

工業化が始まってから、それらの重金属が地中から大量に掘り出され、空気中や海中に放出され続けています。

それによって、かつて人類の生活圏にはなかった重金属が、いまや私たちの周りには蔓延しているのです。

そしてそれらの重金属が、私たちの体内に侵入してしまっているのです。

それらの金属が人体に侵入するのは、たやすいことです。

そもそも人体は金属を生命活動に利用しているため、吸収する経路があるからです。

人体が本来必要としている金属元素に類似した性質を持つ重金属は、その経路を伝って体内に侵入します。

そして、必須元素が働くための場所に居すわり、その機能を阻害してしまうのです。

たとえば、元素の周期表をみていただくとわかりますが、亜鉛カドミウムは同族体といって、原子のもっとも外側を回る電子の数が同じであり、性質が似ています。

カドミウムが体内に入ってくると、本来亜鉛が働くはずの場所、たとえばタンパク質の一部にカドミウムが入り込んでしまい、そのタンパク質は本来の働きを行うことができなくなってしまうのです。

つまり、人体にとって有害金属とは、本来の必須元素の場所を乗っ取って、その働きを奪ってしまう、いうなればハイジャック犯みたいなものなのです。

もし体内に重金属が蓄積しているとしたら、私たちの体の本来の機能は、多かれ少なかれ確実に奪われているのです。

こう書くと、なぜ有害金属をテロリストと書いているか、おわかりになるのではないかと思います。

水俣病のような公害レベルの汚染の場合には、有害金属の濃度がずば抜けて高いため、それによる症状もわかりやすいものになりますが、私たちの多くがさらされている有害金属汚染は低濃度なので、すぐには症状が起きるわけではありません。

しかしそれは空気や食べ物から常に入ってくるので、長期間にわたって慢性的に続きます。

そして、汚染のレベルがある一定の量を超えるか、何かのトリガーにさらされた時、症状が現れることになります。

このような事態は人類が初めて経験することであり、地球史上の大きな出来事と言えるでしょう。

そして私たちは全くそれに気づかぬうちに、人体実験にさらされているようなものなのではないでしょうか。











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実際に私が診療していてもまさにその通りで、いかに有害金属が強力に脳の神経細胞神経伝達物質(感情の分子)に影響しているか、ということがよくわかります。

しかもとても深いところで影響している、と感じます。

そんな問題が浮上してくるということは、よくないことなのではないか?、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

ちょっと大げさな言い方をすれば、そういうものが浮上するということは、人生が変わるチャンスとも言えるのです。

ある患者さんは、キレーション療法を始めたのと時を同じくして、友人関係の問題が浮上しました。

実はうすうす違和感を感じていたそうなのですが、ある長年の友人関係が、本当はその方のお金や能力を利用したいだけの関係だ、ということに気づき、その人間関係が自分の望んでいるものではない、ということに気づいたそうです。

シータヒーリングでは、

水銀は 「偽りの信頼」

鉛は 「偽りの愛」

と関連すると考えます。

つまりその患者さんは、キレーションと同時に、本当は自分を利用したいだけの相手を本物の友人だと自分自身に思いこませようとしてきた自らの思考パターンに気づいたのです。

そしてその思考パターンを手放すことで、その人間関係を手放すことができたのです。

実際にもそういうことを確信させる出来事が偶然とは思えないタイミングで起こったそうで、その話には驚きました。





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研究では、水銀などの有害金属、ダイオキシンやPCBなどの有毒物質が、へその緒と胎盤を通してお母さんから赤ちゃんに移行するということが明らかになっています。

統一された見解には至っていないものの、これらの環境汚染物質が、先天異常・発達障害・アレルギーなど、近年急激に増加している子どもの問題と関連している、と考える研究者は数多くいます。
子ども、特に胎児は、大人よりも有毒物質の害を受けやすいからです。

中でも水銀や鉛などの有害金属は、胎児や幼児の神経発達や免疫機能に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。

環境汚染を今すぐに止めることは難しい以上、子どもたちへのこれらの有害物質の悪影響を少しでも防ぐためにできることのひとつは、これから妊娠する女性の体内をデトックス(解毒)しておくことです。

中でも有害金属を除去することは、赤ちゃんの将来の健康のリスクを減らすことになるでしょう。

特にリスクが高いと考えられるのは

・高齢出産(35歳以上)
・歯にアマルガム(水銀を含む詰め物)が入っている、または不適切に除去したことがある
・ストレスが多い
・不摂生している(栄養状態が悪い)
・魚介類(特に大型魚)の過剰摂取

などに該当する方です。

安心して赤ちゃんを産み育てるため、赤ちゃんの将来の健康のために、妊娠前のデトックス(解毒)治療は素晴らしい選択肢の一つと言えるでしょう。

http://atanaha-clinic.jp/blog/?cat=4


































わたしたちは、環境そのものである。
環境に何らかの手を加えることは、すなわち、わたしたち自身に手を加えることに等しい。
自己免疫疾患でからだが自己を攻撃するのは、悲しいかな、私達が土や水や大気に化学物質を大量廃棄し続けることで、
わたしたち自身に対してしていることの痛烈な現代版アナロジーにほかならない。

わたしたちはいまだに特性が十分に明らかでない多くの化学物質に取り囲まれている。
化学をベースにした家庭用品や生活用品に多くを依存し、化学処理された食品を口にしている。
これはまさに、社会全体で大規模な健康実験をしちえるようなものである。

(免役の反逆 自己免疫疾患はなぜ急増しているか ドナ・ジャクソン・ナカザワ ダイヤモンド社




ホメオスタシスを乱す栄養失調と低血糖症

私達の体内には、ホメオスタシス(生体恒常性)というとても精巧な
システムが備わっています。

ホメオスタシスとは
「生体におけるある条件を一定の範囲内に保っておくはたらき」
のことです。

簡単にいうと、「バランスを保つ力」といってもいいでしょう。
たとえば、血糖値や血圧、脈拍、体温からはじまって、
血液中の色々な物質の濃度、食欲、睡眠のサイクルなど、
ありとあらゆる体内の条件が、このホメオスタシスの働きで
一定の状態を保つような仕組みになっているのです。

このホメオスタシスが理想的な状態で働いていることが
健康であると言うことなのです。

しかし、いろいろな理由で
このホメオスタシスの乱れが起きてしまいます。

ホメオスタシスの働きを実際に調節しているのは
自律神経とホルモンです。

現代社会は、自律神経とホルモンのはたらきを乱す要因で溢れています。

たとえば、精神的ストレスは自律神経に大きな影響をあたえ、
神経機能やホルモン分泌を乱れ、その結果、いろいろな症状を起こす原因となります。

農薬や食品添加物、重金属の蓄積や環境ホルモンなども、
私たちのホルモンバランスを崩し、
酵素の働きを妨害し、代謝を狂わせてしまいます。

そして、何よりも、これらのはたらきを狂わせてしまうのが
栄養失調です。

神経伝達物質やホルモンの材料は
もちろん栄養素です。

これらの材料である栄養素の不足は、
神経伝達物質の産生彫るもんん分泌に影響を与え、
ホメオスタシスの乱れが起こり、
さまざまな症状を引き起こします。

そして、もちろん、ホメオスタシスを乱す大きな原因となりえるのが、
低血糖症です。

単純な糖質の摂取の増加は
多くの栄養素を消費し、血糖値のジェットコースターを起こし、
自律神経とホルモンバランスを乱していきます。

そして、じわじわと、私達の身体と心を蝕んでいくのです。

健康を害する原因にはいろいろなものがありますが
真の健康を取り戻すためには、
その原因を排除する必要があります。

残念ながら、現代医学はこれらの病態、つまり
栄養失調や低血糖症に関しては不得手です。

というよりも、現代会では、現代医学にはこれらの概念が存在しないのです。

しかし、症状の原因が栄養失調や低血糖症にあるのであれば、
薬を幾ら飲んだところで、症状が軽くなることはあっても、
根本的な改善は望めないのです。



私達現代人が「当たり前」と思っている食生活は
人類の長い歴史から見たら「かなり異常」な食生活です。

人類は何百万年もの間、飢餓と戦ってきました。

その過程で、少量の低GIの食べ物だけで生き延びられるように適応してきたのです。
インスリンは、少ない食べ物から少しでも多くカロリーをたくわえることで
私たちが生存するためにとても大切な働きをしていました。

人類の歴史のほとんどの期間、インスリンは「ほんの少し」あれば間に合っていたのです。

つまり、こんなに「インスリンを出しまくる」ような時代は
人類歴史上初めてなのです。

これは大規模な「人体実験」といってもよいでしょう。

このような時代だから、メタボやPMS、DM、そして心の病を抱える患者さんが
暴発しているのではないかと思います。





歴史上、私達人間は自然をコントロールしようと幾度も試みましたが
そのたくらみは常に失敗に終わってきました。
自然はつねに人間を超えるスケールで存在する、
圧倒的な存在だと言えます。

いうならば、私達人間の身体は
気の遠くなるような年月をかけて自然が作り上げた
芸術品(環境から分子を借りて人間は成り立ち生きている)
なのです。


人間が病気になるということは
人間が自然の本来あるべき姿から外れてしまった結果であると思います。
県子を取り戻すというのは
あるべき自然な状態に戻る、ということだと思います


人間が考え出した薬だけで
病気が治せると考えること自体、
とても浅はかな考えであり、
母なる自然に対する冒とくであるのでは。

私たちはもっと謙虚になり、
自分たちの身体と心の仕組みや環境についてもっと知り、
自然に沿った形で健康を取り戻す方法を学ぶべきです。

(なぜあなたは食べすぎてしまうのか―低血糖症という病  矢崎智子 東京書籍)