親の機嫌を読む幼少期を過ごした結果、境界線問題を抱えることになる


■法律・堀井先生によると…

家庭の雰囲気が父親の機嫌で変わる→子は不安になり家族が心の拠り所でなくなる。

父親の機嫌を常に伺う→自分の事を大切にできなくなる傾向が。

子供が結婚したときにお嫁さんを大切に出来ず離婚したり自傷行為に走るケースも。

(2013年6月26日 ホンマでっか!?TV2時間スペシャル )












心の病になる患者は他人との「境界線」の問題を抱えた人が多い。

何か問題に直面したときに、それが自分の問題なのか相手の問題なのか区別できていないということです。

たとえば、夫の機嫌が悪いとき
「仕事で何かあったのかな」と思えばストレスにならないが
「自分が何か悪いことをしたに違いない」ととらえると大きなストレスになる。

つまり、夫の機嫌が悪いという同じ現象に直面した場合に、それを「相手の問題」ととらえるか
「自分の問題」ととらえるかによって、受け取るストレスがまるで違ってしまうと言うことです。

心の病になる方は多くの事を「自分のせい」と受け止めてしまいまし、
うつ病などになると、そういう傾向がますます強まります。



「自分が何をしたか」で叱られる子供は、自分の価値観と自尊心を育てることができますが、
「親の機嫌がどうか」で叱られる子供は、相手の顔色を伺うようになります。
それしか判断の基準が無いからです。


親がアルコール依存症というような場合も同じです。
親がどのくらいアルコールの影響下にあるかで反応がガラリと違うからです。
いつ地雷を踏むかわからないので、常に親の顔色を伺いながらビクビクしていなければなりません。





虐待の場合、ものさしが大人の機嫌次第で変わります。

同じことをしても暴力的に怒られることもあれば、まったくお咎めなしとこともある。

そこから学ぶことは良識とか常識といったものではなく
単に相手の顔色を読むことや、主体性のなさです。

思春期に心の病気になる人は、このような家庭環境が多く見られます。


一方、しつけの場合、ものさしは子どもの側の言動にあります

同じことをすれば、大人の機嫌がどうあれ、いつも同じように注意されるのです。
どれほど大人が機嫌がよくても許されないことは許されないし、どれほど大人の機嫌が悪くても、
やってよいとされていることはやってよいのでうs。

こういう環境であれば、子どもは安定した情緒と主体的な価値観を育てていくことが出来ます。


「安全な環境」の二つ目のポイントは、この「一貫性」にあります。


(10代の子をもつ親が知っておきたいこと 思春期の心と向き合う  水島弘子 紀伊国屋書店






■「境界線」問題を抱えた親

いわゆる「境界線」問題をかかえた親は案外多い。


それまで「子供が考えていることは全部わかている。子供が必要としていることは親である私が一番よくわかっている」というふうに感じていた親は、
明らかに子どもとの間に明確な境界線を引けていないということになるわけだし、子供が十分に幼い頃には、親のその感じ方が子どもに対して保護的に働き、愛着形成にもつながるだろう。



一方、境界線問題が親本人のもともとの問題だという事もある。

中には境界線問題をずっと抱えてきて「無条件に自分のもの」と言える存在が欲しくて、子どもを作った、という人すらいる。

もともと境界線問題を抱えていた親の中には、親本人の治療が必要なほどの病理を抱えているケースもあるが、
それほどでなくても、子どもの治療という文脈でうまく扱えることもある。

というのも、親が境界線を逸脱すればするほど、一般に子どもの状態は悪くなるものであり、親もある程度観念しなければならないからである。

境界線問題をどうしても乗り越えられない親であれば、子どもの側から工夫する必要がある。